僕は熱しやすく冷めやすいミーハーな人間が大嫌いだ。
父親譲りの天邪鬼だ。出来るだけ人と同じことをしたくないのだ。面倒くさい人間なのだ。
鬼滅の刃が流行っている時は馬鹿の一つ覚えみたいに何でもかんでも鬼滅の刃に結びつけるメディアに心底辟易し、意地でもその流れに乗ろうとしなかった。鬼滅の刃に限らず全ての流行りものに関しても同様だ。
だけれども、「もういっそのこと世間の流れに身を任せてしまった方がもっと楽に人生を送ることが出来るのではないか？」という考えに至りかけている。
世間の流れに身を任せるということ、それすなわち他人との共通の趣味が出来る確率が格段に増大するということだ。
他人との共通の趣味が出来れば出来るほど、新たな友人を手に入れることの出来る確率が増大する。つまり、世間の流れに身を任せる＝友人GETという等式が成立することに他ならないのだ。
友人が少ない僕にとってこんなに美味しい物件はない。しかも、世間の流れに乗るということに特別必要な能力などない。不細工だろうが美人だろうがチビだろうがノッポだろうがだれでも等しくミーハーになることが出来るのだ。
ただ、流行りものに飛びつくということは今までの自分を否定することでもある。自分の凝り固まったプライドを脱ぎ捨てて柔軟な考えを手に入れるか、それとも今までの自分を貫き自分という存在をさらに確固たるものにしていくのか、どうしたものか..........。
