僕は容姿のみならず、声までも悪い男である。
今までも薄々感づいていたことではあるが、最近になってさらに強く意識するようになってしまった。
一体僕の取柄はどこにあるのだろうか?
自分でもわけがわからなくなりそうである。
コミュニケーション能力も人に比べて劣っている、容姿も悪い、おまけに声までぼそぼそとしていて情けない。
どこに目を向けたとしてもこれといった取柄が見つからない。八方塞がりだ。
取柄が無いということこそが僕が神様から授かった唯一の取柄なのだろうか?
物凄くポジティブに考えれば、僕はもしかしたら少年漫画の主人公なのかもしれない。
最初は周りの人間よりも劣っているけれども、物語が進行するにつれて徐々に個性が開花していき、一人前の人間となる。僕はその類の人間なのかもしれない。
何はともあれ、自分に与えられた能力を過大評価せずしっかりと受け止め、地道に亀の歩みのようにゆっくりと等身大で生きていきたいと思う。